予防接種

スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法って?

スギやダニなどのアレルギー原因物質(アレルゲン)を決まったやり方で少量から体の中に取り組むことで、体をアレルゲンに慣らして、アレルギー症状を和らげたり無くしたりします。
現在よく行われている抗アレルギー剤の服用による症状の軽減は、対症療法(症状を和らげる治療)ですが、アレルゲン免疫療法は原因を根本から改善させる治療法ということになり、効果の違いが如実です。

スギ花粉症皮下免疫療法治療後10年以上の長期予後

アレルゲン免疫療法には、次の二つの方法があります。
  皮下法(注射でアレルゲン成分を入れる方法)
  舌下法(舌の下にアレルゲン成分を含む方法)

  • どちらの方法も少量から開始し治療効果を示す量まで増やし(導入)、その量で続けていきます(維持)。
  • 維持量に到達してもすぐには効果がでませんが、3~5年この治療を続けると、治療終了後も数年効果が続くと言われています。
  • 以下に皮下法と舌下法の特徴をまとめました。安全性を考慮して舌下法で実施するのが好ましいと考えられています。
皮下法舌下法
実施場所病院自宅(1回だけ病院)
導入複雑(少量から漸増)単純(少量で数日→維持量)
維持月に1~2回毎日
局所反応注射部位の腫脹・痒み口腔内や耳の違和感
→1か月以内に消失
アナフィラキシー数%(導入~維持初期に多い)殆どなし
有効率約70~80%皮下法とほぼ同等

・わが国では、かつて皮下法がよく行われていましたが、手間がかかることや良い抗アレルギー薬が出てきたこともあり、あまりおこなわれなくなりました。しかし、2014年から舌下の薬ができ、2018年子供でも使えるようになったので、アレルゲン免疫療法が再び注目を浴びるようになりました。
当院でも舌下免疫療法を行っています。現在、保険で行える舌下免疫療法は、スギ、ダニによるアレルギー性鼻炎に対してです。スギ飛散時期(2~4月)にスギ舌下免疫療法を開始すると副作用が起こりやすくなるので避けたほうが良いと言われており、次のシーズンの効果を考え夏~12月に開始するとよいと言われています。
詳細は 医師とご相談ください。


くろさきこどもクリニック