くろさきこどもクリニック

診療に関するお知らせ

妊娠中の方に対するRSウイルスワクチンの定期予防接種について

2026/02/27(金)
妊娠中の方に対するRSウイルスワクチンの定期予防接種が始まります。
RSウイルス(以下RSV)は小児、特に乳幼児期の風邪症候群の代表的は原因ウイルスの一つですが、重症化することのある急性細気管支炎の原因として最多のウイルスです。
当初鼻かぜ程度の症状ですが、数日後にゼーゼーと喘息のような呼吸音が起き(急性細気管支炎)、重症化することがあります。
生後間もない新生児、乳児では気管支の働きを支える気管支平滑筋が未発達のため重症化しやすいのです。
わが国での発生数は、2歳未満児で年間12~18万人で、うち入院率は患者1000人に対して23人と決して少なくありません。
生後6か月未満児のRSV感染児とインフルエンザ感染児の入院率を比較しますと23.7%対8.4%とRSV感染児に入院が圧倒的の多いのです(Arashiro T, et al.2024)。
呼吸管理を要する患者さんは約7%ありますが、半数は6か月未満児です。
治療は、水分管理、呼吸管理が中心で特効薬はなく対症療法になります。推奨される薬剤もほとんどなく、喘息で使われる経口ステロイド薬、モンテルカスト等の推奨はありません。(下表参照)


従って、予防に勝る治療法はないというのが実情です。予防を考えると、予防接種で効果の上がりにくい早期乳児に重症化しやすいのがRSV感染による急性細気管支炎の特徴です。
そこでRSV母子免疫ワクチンが脚光を浴びています。
RSV母子免疫ワクチン(不活化ワクチン)は、

2026年4月より定期接種化

・妊娠28週から36週の妊婦に1回接種

・妊娠ごとの接種が可能


と満足のいく結果が出ています。さらに、早産のリスクが高くなることもありません。
 是非、妊娠中の方は、生まれ来る赤ちゃんのRSV感染症に罹患するリスク低減化のために、妊娠28週~36週でワクチン接種をうけましょう。


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